降圧療法の目標値
今後も血圧の目標値は下がっていくのかもしれません。
色々なエビデンスはありますが、気軽に相談しながら治療を進められる主治医と取り組むことが最も大切ですね!
Effect of Intensive Blood-Pressure Treatment on Patient-Reported Outcomes.
高血圧の方の治療目標に関する研究です。
治療目標として、収縮期血圧120mmHgのグループと、140mmHgのグループで患者さんの満足度などを比較しました。
すでにSPRINT試験で糖尿病がなく心血管疾患のリスクの高い高血圧患者において120mmHgを目標とした強化治療のほうが心血管イベントの発生率や死亡リスクが低いことが報告されていました。
このSPRINT試験を踏まえて今回の研究が行われています。
噛み砕いて言いますと、今回の研究は
”血圧低くしたほうが色々と健康になるんだけど、下がりすぎてふらつくとか、薬増えると飲み忘れ増えたりしないかな?”
をテーマにしたものです。
結果は、患者さんの満足度、服薬コンプライアンス(飲み忘れの少なさ)ともに差がなかったそうです。
しっかり120mmHg以下を目標に取り組むほうが健康のためには良いとのことでした。
とは言え、家庭血圧130/85未満になりますと正常範囲内ということで積極的にさらに薬増やそうと思うかは人それぞれかと思います。
いつかはエビデンスが蓄積されて、収縮期血圧120mmHg未満を目指す時代が来るかもしれません。
2017年11月に発表された米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)による米国高血圧合同委員会第7次報告の改訂版の高血圧のガイドラインでは、高血圧の定義を130/80以上へと引き下げました。
今後も血圧の目標値は下がっていくのかもしれません。
色々なエビデンスはありますが、気軽に相談しながら治療を進められる主治医と取り組むことが最も大切ですね!