オメガ3(ω3系不飽和脂肪酸)
オメガ3(ω3)は多価不飽和脂肪酸のひとつで必須脂肪酸です。
体に良い、長寿サプリとして注目を集めています。
食品としては、エゴマ油などの植物性油脂に含まれているαリノレン酸、魚の油に含まれる DHA/EPAなどの総称がオメガ3です。
コレステロールの記事でふれた、LDLコレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸のひとつです。医療用としては2013年から高トリグリセライド治療薬として保険で使用できるようになりました。
もちろん中性脂肪(トリグリセライド)を下げるだけでなくLDLコレステロールも下げますので、動脈硬化リスクを低減することが期待出来ます。
通常、LDLコレステロールが高い場合まずスタチン系薬剤が用いられますが、それに加えてHDLコレステロールが低い、中性脂肪が高い場合にフィブラート系薬剤を併用すると横紋筋融解症を起こすリスクが高くなり使用できませんが、EPAやDHA系薬剤(エパデール、ロトリガ)は安全に使用できます。
スタチンにEPA製剤を追加することで冠動脈プラークが安定すること(※1)や、ApoE欠損マウスにおいてEPAにDHAを上乗せすることで抗動脈硬化作用が強力になること(※2)が報告されています。
また、EPAには抗血小板作用があります。これは梗塞イベント(脳梗塞や心筋梗塞)のリスクを下げるという良い面もありますが出血イベント(脳出血や消化管出血)のリスクをあげる面もあります。気軽にサプリメントとしても購入できますが、適応や用量は慎重に検討する必要が有ります。
医療機関では保険適応により1割もしくは3割負担で処方を受けられ費用も抑えられます。安全面からも、クリニックでご相談してから内服することをお勧めします。
脂質異常症に限らず、生活習慣病(高血圧、糖尿病、など)は継続的な治療が必要です。
かかりつけ医と相談して治療を続けましょう。