婚姻状態と不眠の関連
婚姻状態に限らず、職場以外で友人を持ったり、良い人間関係を持てると健康に良いのかもしれません。
健康云々はおいておいて、良い人間関係は幸せに繋がりそうですね。
婚姻状態と健康寿命の関連はよく調査されています。
大体の研究で、未婚での寿命が短いこと、死別後の男性は寿命が短い、女性は長いという傾向が出ます。
今回は婚姻状態と不眠の関連についての論文です。
婚姻状態と不眠症関連症状との関連性:日本における人口ベース調査からの知見
2010年の国民生活基礎調査より抽出した30~59歳の3万5,288人が対象となりました。
配偶者の有無に応じて以下の5群に分類しました。
・独身
・家族と同居している夫婦
・夫婦のみで生活、未亡人
・離婚
不眠症関連症状は、「私は眠れなかった」との回答から収集しています。
結果です。
・不眠関連症状の有症率は、男性で2.5%、女性で2.8%であった。
・多変量OR(95%CI)は以下のとおりであった。
●独身男性:1.15(0.89~1.49)
●離婚した男性:1.69(1.11~1.49)
●夫婦のみで生活している男性:1.01(0.73~2.58)
●独身女性:1.56(1.20~2.03)
●離婚した女性:2.43(1.83~3.22)
●夫婦のみで生活している女性:1.31(1.01~1.71)
夫婦以外の家族と同居している夫婦に対して、どれだけ不眠関連症状の有症率が高いか、という風に読みます。
失業中の男性ではより顕著な結果だったとのことです。
社会経済的要因(socio-economic factors)と健康との関連はすでにかなり語られています。
ちょっと話はそれますが、以前はsocialeconomic status(SES)という表現が多かった気がします。
SESが高いほうが健康状態が良いと報告されています。
教育機関が長いと~とか、年収と学歴が高いと~、とか語られていましたがstatusというのが差別的だって流れがあるのでしょうか。
「主観的社会的地位と健康」研究の動向と課題:階層意識研究の視点からのレビュー
http://www.ipc.tohoku-gakuin.ac.jp/ghi/kenkyujyo/kiyou/ronbun/no21/no21_kanbayashi.pdf
こちらの導入部分を読むと、2000年代のこの分野の研究の流れが分かりやすいです。
最近は、人との繋がりが多い人が健康って話もよく目にします。
出版バイアスもあるのかもしれませんが、人間関係が良好だと健康にも良いとみられています。
婚姻状態に限らず、職場以外で友人を持ったり、良い人間関係を持てると健康に良いのかもしれません。
健康云々はおいておいて、良い人間関係は幸せに繋がりそうですね。