ダイエット(糖質制限やエネルギー制限)
いわゆるダイエット、脂肪を落として体重を落とすお話です。
細かく書くときりがないので簡潔に論文をご紹介します。
減量のための食事は低炭水化物食にこだわる必要はなさそうです。
個人の好み(味、満足度、調理の手間)などに合わせてカロリー制限を行うことが減量には効果がありそうです。
また、脂質制限よりも炭水化物制限、飽和脂肪酸を制限することが健康のためにも良さそうです。
競技に取り組んでいる方は炭水化物制限によるパフォーマンス低下に配慮が必要です。
ここ数年流行りの糖質制限(低炭水化物、ケトジェニックなど)による減量の発端となったのはこのDIRECT研究かと思います。
イスラエルで二年かけて行われた無作為化比較試験で、なんとあのthe new england journal of medicine(医学系ジャーナルの最高峰と言われています)に掲載されています。
低脂肪食、低炭水化物食、地中海食を比較しています。
(地中海食は、不飽和脂肪酸、野菜果物の摂取を増やし赤身肉を控えるというものです)
結果として、いずれの方法でも減量できたのですが、低炭水化物食と地中海食が減量効果が大きい、HbA1c、中性脂肪、HDL-cに関しては低炭水化物食が良いことも報告されました。そのため、低炭水化物食が注目されたと考えられます。
試験のルールでは低炭水化物食群ではエネルギー(カロリー)制限なし、炭水化物のみ制限とされていたため非常にもてはやされたようです。実際には低炭水化物群でも摂取エネルギーは減っていましたので、これを元に炭水化物さえ控えれば摂取カロリーは気にしなくても痩せると考えるのは注意が必要です。
日本でも数年前から低炭水化物食は大流行しています。
最近の研究では、
・摂取エネルギーが減量には一番重要
・どのような方法で減量しても健康への影響は大きな差がない
といった方向のものが多い印象です。
例えばこちらの論文でも、細かいことは置いておいて個人の嗜好で健康的な食事や運動しようと書いてます。
“Is there an optimal diet for weight management and metabolic health?”
タイトルからすごいですね。
ちなみに、運動してる方向けの論文もありました。
こちらでは、6週間の低炭水化物食により持久力や力が落ちるけれど日常生活には影響がなさそう、競技アスリートは注意が必要かも、とのことでした。