魚油サプリ、全死因死亡と心血管疾患死リスクの関連
魚油サプリと死亡リスクの関連についてです。
オメガ3のサプリメントでは、最近は心血管疾患の抑制効果無しの報告が見られます。
魚油サプリではオメガ3よりもCVD抑制効果が上回るとの報告もありこの研究が行われております。
https://www.bmj.com/content/368/bmj.m456.long
内科・リーレクリニック大手町のコラムです。
40~69歳の男女42万7,678人の癌や心血管疾患の無い方たちが対象の前向コホートです。
全死因死亡、CVD死亡、CVDイベントをCox比例ハザードモデルを用いて解析しています。
開始時点で42万7,678例中13万3,438例(31.2%)が魚油サプリメントを常用していました。
非常用者に対する常用者の多変量補正ハザード比(HR)は
- 全死因死亡が0.87(95%信頼区間[CI]:0.83~0.90)
- CVD死亡が0.84(95%CI:0.78~0.91)
- CVDイベントが0.93(95%CI:0.90~0.96)
でした。
高血圧の人ではより、このCVDを抑える効果が強く出ていました。
オメガ3よりも効果がありそうな印象です。
ただ、魚油サプリといっても種類や用量も不明です。
サプリメント好きな方ですとオメガ3は身近だと思います。
中でも植物性オメガ3のほうが最近は人気ですが、魚油由来のほうが心血管疾患の抑制に有効とみられているのはあまり知られていない気がします。
EPA,DHA、用量など不明な点が多く解釈が難しいのですが高血圧の人で心血管疾患を抑えたのは驚く結果です。
これまで、低リスクの人がオメガ3を摂取すると脳出血のリスクが高まることが懸念されており、高血圧の人ではメリットよりデメリットが大きくなることが心配されていました。
今回の結果からはむしろ高血圧の人で積極的に摂取が勧められそうです。
サプリメントよりも魚食べる習慣のほうが良い影響が大きいと期待できますので是非食生活に取り入れてみて下さい。