コンドロイチン、グルコサミンの効果について|内科リーレクリニック大手町
グルコサミンやコンドロイチンは関節痛のサプリメントとして人気です。
確かに関節には大切な成分ですが、それを口から接種して意味があるのでしょうか?
当院ではファシアリリースを行っている関係で、内科ですが関節痛などのご相談も多いです。
せっかくやるなら科学的根拠のある治療を受けたいですね。
内科リーレクリニック大手町のコラムです。
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コンドロイチンやグルコサミンの効果について
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ヒアルロン酸の注射の効果について
の順で記載します。
コンドロイチンやグルコサミンの効果について
Glucosamine, Chondroitin Sulfate, and the Two in Combination for Painful Knee Osteoarthritis
変形性膝関節症の方が経口のグルコサミンやコンドロイチンを接種した効果について研究です。
1583名の膝に症状のある変形性膝関節症の患者さんを
- グルコサミン1500mg
- コンドロイチン1200mg
- 両者の併用
- セレコキシブ(痛み止め)
- プラセボ
に割り付けています。
早速結果です。
経時的な変化から紹介します。
4週ごと24週後での効果があった割合です。
驚くほどプラセボ(一番左の白い棒グラフ)が効いていますね。
個人的には、セレコキシブがこんなに効かないのかと驚きました。
そしてコンドロイチンやグルコサミンはプラセボとあまり変わらなそうです。
患者さん全体では、コンドロイチンもグルコサミンもその併用も(プラセボに比較して有意な)効果がありませんでした。
中等症から重症の方では、コンドロイチンとグルコサミン併用が少し効果が出ています。
そもそもコンドロイチンやグルコサミンを経口で摂取すると吸収するときに分解されてアミノ酸になるので意味がないはず、などよく言われています。
重症の方に併用では効果が出ていますので効果はゼロではないけどあまり期待できるものではありません。
勿論この論文以外にポジティブな結果を出したものもあります。
しかし大抵はアウトカムが、
- 関節の隙間を減少させた
- 軟骨細胞の代謝を調節する
などの間接的なものです。
変形性膝関節症の治療として長期的に痛みが改善したというものとは異なります。
ちなみに今回の論文は2006年のものです。
それ以降も、サプリメントは売られ続けています。
国内の市場規模は400億円/年とのことです。
すごいですね。
ヒアルロン酸注射について
関節内にヒアルロン酸を注射する、はきちんと科学的根拠のある治療法です。
効果があるのでヒアルロン酸の注射は、肩関節周囲炎や変形性膝関節症の保険適応となっています。
(もちろん経口は保険適応になっていません)