コロナワクチンのブースター接種について
コロナワクチン3回接種の効果についてイスラエルから報告が出ています。
新型コロナウイルスのL452R変異株(通称デルタ株)への感染予防効果の減弱が言われていますが、3回目のブースター接種の効果はあったのでしょうか?
大手町の内科クリニックのコラムです。
Protection of BNT162b2 Vaccine Booster against Covid-19 in Israel
イスラエルで、2回のコロナワクチンが完了(fully vaccinatedと注射器マークと一緒に書かれているアレ)して少なくとも4ヶ月以上経過した60歳以上の方が対象になっています。
ブースター接種から12日以上経過した群と、ブースター接種を行っていない群での比較です。
感染率や重症化率の結果は下記のとおりです。
見づらいと思いますのでシンプルにまとめます。
コロナの感染率について
ブースター接種群 | 934例の感染/10603410(約1000万)人年 |
ブースター非接種群 | 4439例の感染/5193825(約500万)人年 |
分母を揃えると、ブースター接種群はおよそ1/10程度に感染者数が減っています。
交絡因子で調整したリスク比で11倍感染しにくくなっています。
コロナの重症化率について
ブースター接種群 |
29例の重症例/6265361(約600万)人年 |
ブースター非接種群 | 294例重症例/4574439(約450万)人年 |
こちらも1/10以下に重症化例が減っています。
交絡因子で調整したリスク比で19倍重症化例が減っています。
とても効果があるように見えますね。
ワクチン接種後の行動変容など、調整できていないバイアスの存在は論文中で懸念されています。
確かに、ブースター接種を積極的に希望する方はその他の感染対策行動もとってそうです。
とはいえ、比較している群も2回接種していますので感染対策を怠っている事も内と思います。
今後、4回5回とさらに追加接種した場合の有効性が報告されたりするのでしょうか…?
新型コロナウイルス感染症以外にも様々な疾患や効果的なワクチンがありますし、感染対策以外にも社会が取り組む課題があります。
今後はどう優先順位をつけてリソースを割り振るのか、どのような痛みを受け入れるかの議論が行われて欲しいと思います。
社会のリーダーである方達に期待しています。