飲酒と認知症の関連
飲酒と総死亡率の関係はJ-カーブになると考えられています。
酒は百薬の長、万病の元と言われます。
好きな人もほどほどに楽しみましょう!
中年期及び老年期の飲酒と認知症の関連について調べた論文です。
Alcohol consumption and risk of dementia: 23 year follow-up of Whitehall II cohort study.
ロンドンの公務員の前向きコホート研究です。
35歳から55歳の9097名が登録され、およそ5年毎に調査を受けています。
飲酒量を、
・非飲酒
・適度な飲酒(1~14単位/週)
・過度な飲酒(14単位超/週)
の3群に分けています。
中年期に飲酒していなかった群は、適度な飲酒群に比べて中年期での認知症のリスクが高く、過度な飲酒群と適度な飲酒群では有意な差がありませんでした。
ただ、一週間に21単位以上の飲酒をしていたグループでは、有意に認知症のリスクが高まっていました。
また、過度な飲酒群では適度な飲酒群に比べて老年期での認知症のリスクが高く、老年期に飲酒量が減少しても、中年期に過度な飲酒をしていた群では、適度な飲酒群に比較して認知症のリスクが高いという結果でした。
アルコールの体への影響は多くの知見があります。
適度な飲酒は、アルコールの抗凝固作用など健康に良い影響があるという説もあります。
また、飲酒が社交的な性格の結果であるという交絡因子の可能性もあります。
(この論文では、結婚/同棲、喫煙、社会的地位、喫煙などの交絡因子を調整しています)
お酒の1単位は純アルコール20gで、およそビール500ml、ワイン180mlgです。
お酒飲めない方が無理に飲む必要はありませんが、1週間に7-14単位にしておくと色々と健康に良い可能性があります。