中年の脂質異常と認知症の関連
若い時に動脈硬化性疾患を放置すると10年後の健康を損ないます。
今は無症状でも放置しないことが健やかな人生につながります。
脂質異常(コレステロールの異常)と認知症の関連について色々な研究がありますが、中年期の脂質異常の方が老年の認知症と関連していると言われているそうです。
そのため、中年期の脂質異常と20年後の認知機能の関連を調べた研究があります。
Association of midlife lipids with 20-year cognitive change: A cohort study.
13997人の中性脂肪と認知機能を調べ、20年後に認知機能を再度調べその変化と脂質異常との関連を調べました。
結果としては総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪が高い群では20年間での注意力や処理能力の低下と関連し、
総コレステロールと中性脂肪が高い群では20年間での記憶機能の低下が強かったです。
HDLコレステロール(善玉)は認知機能の変化とは関連がなかったそうです。
脂質異常は動脈硬化性疾患ですので、それにより晩年の脳血管性の認知症と関連したのかもしれません。
認知機能との関連はまだ定まったものではありませんが、心筋梗塞との関連は強く示唆されています。
アテローム性脳梗塞との関連など、その他の動脈硬化性疾患のこともありますので放置することはリスクとなります。
脂質異常は自覚症状が無いからと放置せず、食事療法と薬物療法で治療すること、動脈硬化を見据えて頸動脈エコーなどの検査をしながら治療をすすめることが重要です。