全粒食品と糖尿病リスク
全粒食品(オートミールや玄米、全粒粉のパンやパスタ等)は血糖の上昇が穏やかなために糖尿病の方に勧められています。
糖尿病の発症前に摂取していた場合の糖尿病リスクは抑えられるのでしょうか?
女性15万8,259人と男性3万6,525人の前向きコホート調査です。
461万8,796人年の追跡期間の間に、1万8,629人が2型糖尿病を発症しています。
全粒食品の摂取量で5つのグループに分けています。
各グループの全粒食品の摂取量中央値は下の表のようです。
Group1 | Group2 | Group3 | Group4 | Group5 | |
serving size/day | 0.1 | 0.4 | 0.7 | 1.1 | 1.9 |
いつも思うのですが、serving sizeってわかりにくいですよね。
食品毎に定められた一回で摂る目安量らしいです。
Group1は殆ど全粒食品を摂っていない、Group4は1食は主食が全粒食品、Group5は2食が全粒食品というイメージです。
Group5はGroup1に比べて、糖尿病発症リスクが29%(95%信頼区間[CI]:26~33)低い結果でした。
発症リスクを1/3減らせるイメージです。
全粒穀物摂取量と2型糖尿病リスクには、非線形用量反応関係がみられました。
この関連性は身体活動量や糖尿病の家族歴、喫煙の有無にかかわらず認められました。
糖尿病発症リスク減少は1日2サービング超でほぼ頭打ちでした。
朝はオートミールや全粒粉のパン、昼に玄米などで達成できそうですね。
3サービング辺りからむしろ少し増えています。
いくら全粒食品であっても、炭水化物の摂る量が増えると糖尿病のリスクが高まるということかもしれません。
食べれば食べるほどよいというわけではなく、炭水化物を摂取する際には血糖の上がりが穏やかな全粒食品が有効という解釈が適切かと思います。
血糖の上昇を穏やかにするために、炭水化物を摂取する時に一緒に食物繊維を摂ることも似た効果が期待できそうです。