子どもの知能とデジタルメディアの関連について
「ゲームをするとバカになる」と昔はよく言われていた気がします。
個人的には、ぼーっとテレビを見ているより、ゲームのほうが認知機能や論理的思考のトレーニングになりそうな気がします。
ということで、テレビや動画、SNS、ゲームの影響を調べた論文の紹介です。
大手町の内科のクリニックのコラムです。
The impact of digital media on children’s intelligence while controlling for genetic differences in cognition and socioeconomic background
https://www.nature.com/articles/s41598-022-11341-2
次の3種類のスクリーンタイム
watching:テレビや動画の視聴
socializing:SNSのようなネットでの交流
gaming:テレビゲーム
と知能への影響を調べた論文です。
アメリカの9-10歳の子供9855人のデータをもとに解析しています。
スクリーンタイム以外に、SES(両親の年収や学歴などの要素)、cogPGS(遺伝の要素)を調整して、2年間での知能の変化を調べています。
スクリーンタイムの平均は、
2.5時間 watching:テレビや動画の視聴
0.5時間 socializing:SNSのようなネットでの交流
1時間 gaming:テレビゲーム
でした。
平均より長くゲームをしていた子供が知能の上昇が高くなり(IQ2.5の差)ました。
テレビや動画の視聴が長かった子もわずかに知能の上昇が高かったのですが、親のSESで調整すると有意な差ではありませんでした。
ということで、ゲームに関してはスクリーンタイムが長いことで知能が上がるという結果でしたが、その他のテレビや動画の視聴、ネット上での交流は特に影響がありませんでした。
ゲームをやればやるほど頭が良くなる!というわけではありません。
そもそもスクリーンタイムが長いことよりも勉強時間が長いほうが知能が上がりそうですし、積極的にゲームを、とは解釈し辛いかと思います。
動画見たりSNSやるよりはゲームのほうが良さそう、というお話です。