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新型肺炎・コロナウイルス感染症|感染者数・致死率・初期症状・免疫|内科リーレクリニック大手町

変異したコロナウイルス(COVID-19・SARS-CoV-2)による新型肺炎がひろまっています。

4/15時点で世界で229万超の感染者数、15万人超の死者数となっています。

日本ではまだ感染者数、死亡数共に少なく100万人あたりの死亡数1未満です。

このまま感染スピードが低く死亡例も少ないのか、今後爆発的に増加するのか不明です。

(一般的にはウイルスは生存のために弱毒化します)

致死率0.66%とコロナウイルス感染の推定値が出ました。

CNNの致死率の推定値の記事はこちら

感染経路は、今までの風邪の原因であったコロナウイルスと同様の飛沫感染(エアロゾル)及び接触感染と考えられています。

オランダでコロナ抗体陽性率の調査が行われ3%の方が免疫を獲得しているという記事が出ています。

Dutch study suggests 3% of population may have coronavirus antibodies

それが事実の場合のオランダでの死亡率は0.58%になります。

”感染者数や致死率”の一番下に追記しています。ご参照下さい。

コロナウイルスのワクチンについてはこちら
治療薬のアビガンについてはこちら
高血圧治療薬とコロナの関連についてはこちら
コロナの致死率などの数値の読み方についてはこちら

(以前のコロナウイルスのSARS,MARSの時と異なりSNSが発達してるために)

情報が錯綜していますが、なるべく正確な情報を得るようにしましょう。

対策として、感染予防に期待出来る行動を記載します。

人混みを避ける
(色々な病原菌に暴露する機会を減らしましょう)
こまめにしっかり手洗い
(下のリンクでもあるように、きちんと洗うと手指のウイルス量を減らせます)
不潔な手で首から上を触らない
(顔に触れたり飲食による接触感染を防ぎます)
睡眠時間を7時間確保する
(睡眠時間が長いから感染症予防になるエビデンスはありませんが、寝不足でウイルス感染が増えるエビデンスはあります)
・禁煙する
(喫煙者の感染率・重症化率が高いことがわかっています、禁煙がすぐに有効かは不明ですが期待できます)
内科、リーレクリニック大手町によるコラムです。
このページでは
  1. 感染者数や致死率
  2. 症状・臨床経過(風邪と肺炎の見分け方、その他の肺炎との違い)
  3. 感染力(基本再生産数)
  4. リンク
の順に記載しています。

感染者数や致死率(死亡率)

WHOから、コロナウイルスの致死率は2%程度との見解がありました。
*致死率=死亡症例数/感染症例数
決して人口の2%の方がなくなるわけではありません

ランセットに掲載された論文で、コロナウイルス感染の致死率は0.66%と推定値が出ました。

CNNの致死率の推定値の記事はこちら

重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)ほど致命的ではないとの予想です。

(致死率:SARS 9% MERS 10%)
よく比較されるインフルエンザの致死率は、国によって異なりますが1%未満程度です。
日本では抗インフルエンザ薬が多用されており致死率が0.1%(高齢者0.3%若年者0.01%)と諸外国より低いとされています。
こちらで感染症例数や死亡数などが確認できます。
読み方の注意点として、
感染症例数は検査閾値により変わる
例:韓国では検査を多く行っているので感染数が多い
重症例のみに検査をすれば致死率が高くなる
例:中国では重症例のみに検査を行っているため、致死率が高い
集計初期はバラツキが大きく致死率や重症化率といった”率”は真値からのズレが大きい
例:1月までの14歳未満死亡率11%(内容は9症例のうちの1例が死亡、その後は死亡例なく感染例だけが増えている)
などがあります。
WHOの見解(2%)、MRC・GIDAの推計(1%)と現状の致死率(WHOのデータで3.4%、厚生省の国内のデータ1.9%)の差があるのはこういった背景のためです。
国別の症例数、死亡数の表です。
特に集計初期は、武漢でパニックのため医療資源が枯渇し致死率が高かったことが影響していたと考えられます。
軽症でも積極的に検査をすると死亡率(死亡数/検査陽性数)が下がるのでこのグラフの右下に寄ります。
イギリス、スイス、ダイアモンドプリンス号、韓国などがこの傾向です。
発表時点での致死率と当初の見解がずれていますが徐々に近づく事が予想されます。
そういった補正はあるものの、やはり国別の死亡率のバラツキが大きい状況です。
検査の実施率も国により様々ですし、医療水準(アクセスやキャパシティも)異なります。
また、このウイルスはACE受容体の発現量による感染リスクが異なるという仮説があります。
(男性、喫煙者で発現量が多く実際に感染率や重症化率が高いという話です。
ココロナウイルス(SARS-CoV-2)はヒト細胞への侵入における受容体がACE2とのことです。詳しくはこちらの記事の後半に記載しています。)
他にもBCGのワクチンとの関連なども指摘され、何かしらまだ分かっていない要因があり死亡率にバラツキがある可能性が考えられます。
いずれは超過死亡などの概念も加えて、正確な致死率が出ると思いますがしばらくは混乱が続きそうです。
ちなみに日本に関しては、検査件数が非常に少ないため評価が難しいです。
個人的に当初は、検査閾値が高い(=無症候や軽症の方は検査していない)ため致死率が高くなりそうと考えていました。
4/19時点では、PCRで陽性10219例、死亡例161例、退院例1142例となっています。
重症例で入院中の方の今後にもよりますが、死亡率は1%台になりそうです。
検査閾値を高くしているはずですが、とても低い数値です。
日別のPCR検査数をみると突然多い日があり、データの解釈が難しいです。
検査基準が流動的なのかも知れません。
なぜか軽症の健康なスポーツ選手が検査を受けているらしいですし分からない事が多いです。
ちなみに検査した場合の陽性率は11%程度なので、これだけみると気軽に検査して外し続けている印象です。
色々不思議です。
ACEの発現量が低い、BCGのオフターゲット効果、等なにか日本人は感染しづらく重症化もしにくい要因があるのでしょうか…?
4/15時点で世界で200万人近くの感染者数、12万人超の死者数となっています。日本ではまだ感染者数、死亡数共に少なく100万人あたりの死亡数1未満です。
このまま感染スピードが低く死亡例も少ないのか、今後爆発的に増加するのか不明です。
将来的に簡易的な迅速検査キットが開発されて(インフルエンザのように)軽症例でも迅速検査を行うようになると(軽症の感染者数が増えて)更に致死率はさらに下がると考えられます。
また、治療薬やワクチンが確立された場合にはインフルエンザと同程度になっているかも知れません。
期待したいですね。
年齢別の死亡率です。
これは中国でのデータですが、イタリアから出た年齢別のデータもほぼ同様でした。
高齢者での死亡率が高いです。
イタリアでの死亡例の87%が70歳以上と報道されています。
特に心疾患を持っている高齢者がハイリスクとされています。
このグラフは、国別の(百万人あたり)死亡率と80歳以上の男性の割合のグラフです。
ハイリスクとされる、男性・高齢の方が多いと死亡率が高くなっています。
ここでギリシャと日本が外れているのですがこの二国は人口あたりPCR検査件数がとても低い国です。
色々予想してしまいますね。
この割合だけから見ると、百万人あたり7~8人くらいでもおかしくなさそうです。
ちなみに、比較してどうとかいうわけでは無いのですが交通事故の百万人あたり死亡数は43人(2011年・日本)です。
最近は中国のデータで幼児の感染率が高く、1歳未満の重症化率10.6%、1歳から5歳の重症化率7.3%という話も出ています。
このグラフでも10歳未満のデータがなくて、症例数が少なすぎるのかと思っていたのですが違ったのかもしれません。
重症化しても死なない(?)というのならこれまでのデータと矛盾しないと言えそうですが、これまでの話とは反対に幼児がハイリスクということなので気になりますね。
過度に恐れたり、過小に評価したりせず適切にデータを解釈しましょう。
余談ですが、インフルエンザの死亡数を評価する方として”超過死亡”という概念があります。
死亡診断書にインフルエンザと書かれていないがインフルエンザでなくなっている人がいるだろうという事で使われる指標です。
いずれコロナウイルス感染もこちらで評価されるようになるかもしれません。
コロナの感染による影響よりも、パニックによる経済への影響(不景気になると自殺率、失業率、犯罪率が上昇しそういった社会では寿命が短くなります)、医療機関への影響やコロナハラスメントと呼ばれる差別からの影響のほうが大きくなりそうですね。
超過死亡はこちらから確認できます。
オランダではすでに抗体検査が行われたとのことです。

Dutch study suggests 3% of population may have coronavirus antibodies

3%の方が既に抗体を獲得しているとの調査結果で、1700万人のうちの数十万人が抗体を持っているだろうとの事です。

ちなみにこの記事の出た4/17時点で報告されているオランダの感染者数は30000人弱、死亡例は3315例です。

https://www.worldometers.info/coronavirus/country/netherlands/

検査で特定された患者さんのおよそ17倍の方が既に感染後で抗体を獲得しているという話になります。

この話が本当なら、オランダの死亡率は10%ではなく0.58%になります。

(コロナ感染に気付かず亡くなった方がいなければの計算です)

この新型コロナの抗体検査の感度や特異度も不明で、まだなんとも言えないですけど本当でしたら感染の収束は早そうです。

検査を受けていないだけで知らない間にコロナウイルス感染後で免疫獲得している人が多い筈という意見はよくありますが、こうして実際に調査した結果が出ると説得力が増しますね。

ちなみに日本国内でも4月中に無作為抽出して抗体検査を行う予定があるとの事です。

個人での検証ですが、抗体検査を行った開業医の先生がいたようです。

<新型コロナ>抗体検査5.9%陽性 市中感染の可能性 都内の希望者200人調査

147人中7人(4.8%)が陽性、医療従事者55人中5人(9.1%)が陽性とのことでした。

数値の読み方に関してこちらにまとめております。

せっかくやるなら統計の知識ある人も巻き込んで、選択バイアスを避ける方法や結果の信頼区間を計算したりとかもやると良い気もします。

*ちなみに147人中7人陽性を二項検定で計算した95%信頼区間は1.9%から9.6%でした。

信頼区間の意味はネットで色々見てみてください。

「母集団から標本を取ってきて、その平均から95%信頼区間を求める、という作業を100回やったときに、95回はその区間の中に母平均が含まれる」

https://bellcurve.jp/statistics/course/8891.html

こんな感じで説明されています。

ともあれ、日本全体でPCR陽性が0.001%と比較するとかなり乖離があるのは間違いないですね。

国内の状況は厚生省からデータが出ています。
東洋経済オンラインの萩原さんが、これをもとにグラフにしています。
見やすくてありがたいですね。

初期症状・症状・臨床経過(重症例と軽症例)・潜伏期間

下記のような典型的なコロナウイルス感染後の臨床経過が出ております。
若年者は軽症例が多く、高齢者に重症例が多いと言われています。
これらはあくまでも典型的な経過であり、国内でも20歳代の重症例が出ておりますので軽症例との判別が重要です。
軽症の場合は一般的な風邪と同様の対応でよいのですが、
ウイルス性肺炎を起こす重症例の場合にきちんと治療することがとても大切です。
初期症状として嗅覚や味覚障害が言われています。
一般的な風邪でもある症状です。
所謂、特異度の低い症状です。
恐らくですが、感度は高いと思います。
この症状があるからといってコロナを心配する必要はありませんが、この症状が無ければ心配いらないかなと思えるとお考え下さい。
風邪、コロナ(新型肺炎)の見分け方として風邪(ウイルス性上気道炎)と肺炎の見分け方のコラムも参照してください。

新型のコロナウイルスによる肺炎とのその他の肺炎の見分け方についてはこちらです。

新型のコロナウイルスの肺炎の臨床的特徴

こちらは細菌性の肺炎の場合ですので異なる部分もありますが、感染が下気道まで及ぶと咳、痰、熱、寝汗などの症状がでやすいです。
夜間の汗(盗汗)が多いことも呼吸器感染の特徴と言われています。
受診時の鑑別点は、聴診器による呼吸音の確認、経皮的酸素飽和度の測定、胸部レントゲン写真などが有用です。
大切なのは上気道炎に留まる(=風邪)と下気道まで広がる(=肺炎、気管支炎)を区別することです。
今回の新型コロナウイルスは、健常者にも肺炎を起こして重篤な経過を辿る事があるのが、これまでのコロナウイルスとの大きな違いです。

感染力(基本再生産数)

2/3に日本感染症学会と日本環境感染学会からCOVID-19対策のあり方についての提言が公表されました。
  • 感染性は、基本再生産数(感染力)推定1.5~2.5で通常のインフルエンザと同程度
  • 病原性はインフルエンザよりやや強い
  • 基礎疾患のある人、高齢者では重症化に注意する
  • 小児における重症例は少ない(異なるデータも報告あり)
  • 日本国内で分離された2019-nCoVは中国での初期ウイルスと99.9%の相同性が保持されており遺伝子変異は起きていない
基本再生産数(感染力のようなものと考えてください)は、この頃の予想より高い3前後だろうという計算が最近は出ています。
感染力はウイルスの特徴のみならず、感染母集団の特徴や温度や湿度など環境の影響も受けます。
手洗いなどを行わず接触が多く、鼻や口を触る人が多い集団では高くなります。
施策や慣習の影響が出そうです。
参考に、
・感染力の強い病気として知られる麻疹は12−18
・よく比較されているインフルエンザは2−3
です。
繰り返しになりますが、正確な情報を元に正しく恐れる、警戒することが大切です。
マスクの感染予防効果に関してこちらに記載しております。
3/27時点での総感染者数と直近1週間での新規感染者数のグラフです。
韓国、中国が収束に向かっている様子がみられます。
時間軸ではなく、既存の症例と新規症例での両対数グラフで、視覚的に斬新ですね。
既存感染から同じ割合で新規感染者数が作られ続けている状態が真ん中あたりにある線形な線と考えて下さい。
日本は何らか少しだけ抑えられてそうな印象です。
国別の致死率が大きく異なることから、国ごとに対応も大きく異なっているようです。
(政策の素人ですが)僕から見たところ、
厳格な都市封鎖(ロックダウン) イタリア、スペイン
社会的距離 スウェーデン、韓国、日本?
感染防止より経済優先 トルコ(土日は外出規制)、ブラジル
といった雰囲気です。
スウェーデンの自主性任せは、下のグループ寄りかもしれません。
感染が広まってから都市封鎖するパターンもあり色々で分類が難しいです。
日本は”自粛を要請”と、自粛しているのか要請されて引き篭もっているのか不明ですが実行率も良く分かりません。
肌感覚的には、学生と社会人はかなり厳しく封鎖されているような気がしています。

国立感染症研究所感染症情報センターセンター長のインタビュー記事です。

わかりやすく書かれています。

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/ncov2019-okabe

NIHでウイルス学の研究をしている病理の先生の記事です。

専門家らしい内容です。

https://www.minesot.com/2020/01/2019-ncov.html?spref=tw&m=1

色々なところで書かれている事ですが、情報源を大切にしましょう。

インフルエンサーの”ある研究によると”とか”実は中国では”とか根拠のない謎の断定は全く当てになりません。

免疫を強くする、なども眉唾ものが多いです。

明らかな嘘も出回っています。

極端に悲観的な見方や楽観的な見方をしている方もいますが、医師が実名でツイートしたから真実というわけでもありません。

以下、枠内は上記リンク先の峰先生の文章の抜粋です。

https://www.minesot.com/2020/01/2019-ncov.html?spref=tw&m=1

僕の個人見解ではないですし、ご質問ご意見等を当院へ連絡することはお控え下さい。

(引用元を辿れば、紅茶がウイルス感染予防に効果が出なかったことなども細かく記載されています)

 また、感染対策の方法に関する不正確な情報も出回っています。
  ● 空間除菌グッズやアロマオイルがきく 
→ 効きません(大手企業の売り出しているクレ●リンなどが売り切れているそうですが効果の実証なしです)
  ● 紅茶や緑茶を飲む/紅茶・緑茶うがいが効く 
→ 証拠は一切ありません
  ● ある漢方薬がウイルスに効く 
→ そういう実証データはありません
  ● 血液クレンジングが効く
→ 効きません
  ● 空気清浄機で完全に防げる
→ 防げません
  ● 体温をあげれば「免疫力」があがり防げる
→ 「免疫力」も意味不明ですが、そういう単純なことはありません。
というようにお金を稼ぐため?か知名度を上げるため?に嘘の情報を流す人が世の中にはいるようです。
引用を元を明らかにした、信頼度の高いデータを元に行動しましょう。
残念ながら大学のようなまともな研究・発表をしてそうな集団からも質の低い情報が公表されていました。
*こちらのプレスリリースは公開翌日に削除されました

海藻の「あおさ」にヒトコロナウイルス増殖抑制効果を確認 ─新型コロナウイルスでの効果にも期待

こういった記事では、タイトルだけでなく内容を注意して読んでください。

A型インフルエンザウイルスに感染したマウスで、(あおさに含まれる)ラムナン硫酸を投与したところ3日後のウイルスの量が半減(抗体は7日で約1.5倍、14日で約2.3倍)

という内容です。

突っ込みどころは色々あるのですが、
・そもそもコロナウイルスではなくインフルエンザウイルスを使った実験
・対照群との比較なのか不明(インフルエンザ感染後に抗体が増えてウイルス量が減るのは普通の経過です)
・マウスで効果があるからといって人間に効果あるとは限らない
と、タイトルと内容があっていないと言える記事です。
そして共同研究者を見ると,,,
COI(利益相反)のマネージメントに問題ありそうですね。
メルカリでのあおさ、エタノール、マスクの高額転売、ツイッターでもデマの拡散とまさにコロナパニックといった様相です。
あれも無効、これも無効とネガティブなことばかり書きましたので、感染予防に期待出来る行動を記載します。
人混みを避ける
(色々な病原菌に暴露する機会を減らしましょう)
こまめにしっかり手洗い
(上のリンクでもあるように、きちんと洗うと手指のウイルス量を減らせます)
不潔な手で首から上を触らない
(顔に触れたり飲食による接触感染を防ぎます)
睡眠時間を7時間確保する
(睡眠時間が長いと予防になるエビデンスはありませんが、寝不足でウイルス感染が増えるエビデンスはあります)
・禁煙する
(喫煙者の感染率、重症化率が高いことがわかっています、禁煙がすぐに有効かは不明ですが期待できます)

無菌性髄膜炎(コロナウイルス等)

3/8にコロナウイルスによる髄膜炎が報道されました。

ウイルス性髄膜炎はコロナだけの特有の病気ではありません。
エコーウイルス(小児の夏風邪に多いウイルス)が最も多いです。
(1998年の夏場には130名の児童がエコーウイルスによる髄膜炎と診断されています)
次に多いのがムンプスウイルス(流行性耳下腺炎、所謂おたふくの原因ウイルス)です。
インフルエンザウイルスも髄膜炎を起こします。
(インフルエンザはインフルエンザ脳症も起こします)
いくつか見かけた誤解について説明します。
(自分はコロナ担当とかではないのですが、あまりに医療機関や施策決定機関への不条理な発信が多く悲しく思っていますので)
Q 若い人は重症化しないというのは嘘なのか
A 重症化リスクが低い(頻度が低い)ということでゼロではありません。
髄膜炎だけでなく肺炎も含めて若い人にも重症例があるため警戒されています。
Q 検査して早期発見早期治療しないのか
A 現状はコロナに対する抗ウイルス薬がありませんので、早く診断しても治療方針は変わらないと考えられます。
また髄液の採取は侵襲的な検査です。
髄膜刺激兆候がない方への腰椎穿刺はありえない検査です。
Q 突然倒れるのか
A 髄膜炎は徐々に進行します。
元気な人が歩いていて突然倒れる経過にはなりません。
歩いていて突然倒れたらコロナ感染ではなく、脳動脈破裂によるくも膜下出血や心室細動のような致死性の不整脈の方が考えやすいです。
近い疾患として、ライ症候群があります。
これは、ウイルス感染(インフルエンザや水痘)後に急性脳症と肝障害を起こす致死的な疾患です。
アスピリン製剤がリスクを高めるとされています。
インフルエンザの流行期に発熱等に対して(現在はOTCとなり誰でも買えますが)ロキソニンやイブプロフェン等を自己判断で服用する事は危険です。
コロナウイルスによる髄膜炎がありそう、と言われても出来ることは現在ほぼありません。
しかし、とりあえずNSAIDsは避けるとかなら害がないかと思います。
明らかなエビデンスはないのでその他の痛み止め(アセトアミノフェン等)で効果が足りない場合にはNSAIDsを使わざるを得ないと思いますが。
WHOや厚生省は信用できない!陰謀だ!といった人の信条や感情には自分は何もできませんが、
石(花崗岩?)とか波動とかマスクとかをコロナ予防と言われて法外な値段で買うのはやめておいた方が良いかと思います。
コロナ騒動で困っている患者さんへ
・糖尿病の自己注射でアルコール綿が手に入らない
イソジンでの消毒にして下さい。
消毒用エタノールより入手しやすいようです。
・花粉症でマスクをしたいのに手に入らない
元々、マスクをしても花粉の全ては防げず1/3程度の曝露量にできるとされています。
抗ヒスタミン剤や漢方薬を飲むのは症状を抑えるのに有効です。
代用品として、ウレタンや布のマスク、ストールなどで鼻や口を隠すと少し効果が期待できます。
他に、ワセリンを鼻粘膜に塗ることで花粉の付着を防ぐ方法なども提案されています。
すぐには効果が出ませんが、根治療法となる舌下免疫療法があります。
僕も取り組んでいます。
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