新型肺炎コロナウイルス感染症のワクチン
コロナウイルスのワクチンのニュースが出ています。
新型コロナワクチン、9月にも実用化
他にもいくつかワクチン開発のニュースがありますので、新薬開発の流れと一緒にまとめておきます。
内科・リーレクリニック大手町のコラムです。
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9月に実用化?のコロナウイルスのワクチンについて
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新薬開発の流れの説明
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その他のコロナウイルスのワクチンの状況
の順に記載します。
1.9月に実用化?のコロナウイルスのワクチンについて
このニュースになっているワクチンはイギリスのオックスフォード大学で研究され、ジョンソンアンドジョンソンで発売される予定とのことです。
4月から臨床試験を開始し、早ければ9月から実用化、2021年から供給するとのことです。
とても早いですね。
すごいスピードですが、副作用がないかを確認する、いわゆる臨床第III相試験を行う予定でのスケジュールなのか気になります。
2.新薬開発の流れの説明
臨床試験の流れについて説明しておきます。
これはコロナウイルスのワクチンや治療薬など、その他の疾患含めてすべての新薬でたどる流れです。
試験管などの中で行う実験で創薬と考えて下さい |
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いわゆる動物実験的なものでとんでもない副作用がないかなど見ていると考えて下さい |
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臨床第I相試験(臨床薬理試験):少数の健康な方で安全性を調べます 臨床第II相試験(探索的試験):少数の患者さんで有効性を調べます 臨床第III相試験(検証的試験):多くの患者さんで有効性や安全性を調べます |
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発売後に多数の方が実際に使った中での効果や副作用を確認する段階です リアルワールドデータなんて言ったりします |
薬の領域によっては、臨床第III相試験が既存薬に対する非劣勢試験だったりしますがこの流れは同様です。
余談ですがこうした試験の結果を受けてエビデンスがあると判断されたものが保険承認薬で、それを適切な対象に用いるのが標準治療です。 全く根拠のなく、
といった情報を謳っている事に真面目な医師が怒るのはこういった背景があります。 |
治療薬でなくワクチンの場合は、I相試験とII相試験が同時になりますので、恐らくニュースになっているのはこの段階だと思います。
臨床第III相試験無しでいきなる多数の健康な方に投与するのは危ないのですが、これだけ世界がパニックになっていると短期間で副作用観察終えたり臨床第III相試験行わないといった事もありえるのでしょうか。
9月から実用化というニュースを見ると普通の医師だとこういった事を考えてしまうと思います。
2021年の早い時期から供給とありますのですごいスピード感です。
安全で有効なものをなるべく早く開発してほしいというニーズにどこを落とし所にするのか気になりますね。
3.新薬開発の流れの説明
他にもワクチン関連のニュースがこれまでにありましたのでまとめておきます。
アメリカのベンチャー、モデルナのワクチンも臨床試験始まっています。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-26/Q7TKNQT0AFBL01 こちらは、すでに臨床第I相試験を3月末に開始しています。 その結果が出るのが2ヶ月後とのことです。 まだ時間はかかりそうです。 |
アメリカのノババックスが5月半ばから臨床試験を開始する予定とのことです。 https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-novavax-idJPKCN21Q39R |
同じアメリカのファイザーも今月中に試験を開始し、年内に供給開始を目指すとのことです。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57899030Q0A410C2000000/ |
フランスのサノフィもワクチン開発に取り組んでいるとのことです。 https://www.sanofi.co.jp/ja/about-us/our-stories/sanofi-s-response-in-the-fight-against-covid-19 かっこいいページですね。 |
中国科学技術省では臨床第II相試験に入っているようです。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200415/k10012387441000.html この記事では、第II相試験を始めるコロナのワクチンは初とされています。 |
コロナのワクチン、迅速検査、治療薬に関して競争が激しいですね。