片頭痛の治療薬エムガルティの効果について
片頭痛の新規治療薬、抗CGRP抗体が宣伝されて注目されています。
神経の興奮によりCGRPという物質が放出され、それにより血管が拡張して頭痛の原因になるのですが、このCGRPをブロックして頭痛を起こさせないという抗体医薬です。
片頭痛は症状が重く、つらい病気なので気になっている患者さんも多いと思います。
商品名でいうとエムガルティ、アジョビといった注射が出ていますのでそちらのご紹介です。
こちらに片頭痛のまとめもありますのでご参照ください。
前提として、今回の抗CGRP抗体は片頭痛の予防薬です。
上のまとめにあるように、急性期の治療薬と予防薬では役割が異なります。
予防薬が必要な人の中で、手軽に使える薬で効果が足りない方が検討する薬だと考えてください。
ちょっと頭痛いから一発打ってみよう!みたいな薬ではありません。
こちらがエムガルティに関する効果を検証した論文です。
1671名から809人が不適格とされ、862人が3群に無作為割付されています。
- プラセボ
- エムガルティ120mg/月
- エムガルティ240mg/月
の3群です。
いきなり結果ですが、
と、月に10回弱あった頭痛の発作回数が
プラセボで3回、エムガルティで5回程度減っています。
120mgでも240mgでもほとんど差がありませんね。
そして思った以上にプラセボで発作回数が減っています。
なんだか微妙な気もしますが、間違いなく発作回数は有意に減っています。
ちなみに3割負担の方で一本薬14000円です。
初回は2本注射してその後は毎月1本注射します。
ですので初月は28000円ほどの負担となります。
他の予防薬で頭痛を抑えれない方は検討する価値があるかと思います。