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高脂肪食の腸内細菌への影響

炭水化物制限か脂肪制限か、というのは今後も検討が続けられそうなトピックです。

まだはっきりしないことが多いのですが、

・総摂取カロリーを抑えること

・そのために続けやすい自分の食生活を選ぶこと

が当面は良さそうです。


数年前から、炭水化物ダイエットがとても流行しています。

このコラムでも何度が関連した論文を取り上げています。

今回は、炭水化物の量の調整によって総摂取カロリーを揃えて、低脂肪、中脂肪、高脂肪食の比較を行った研究です。

 

Effects of dietary fat on gut microbiota and faecal metabolites, and their relationship with cardiometabolic risk factors: a 6-month randomised controlled-feeding trial.

腸内細菌叢および便の代謝物に対する脂肪食の影響、およびそれらの心代謝危険因子との関係:6か月間の無作為化対照摂食試験

 

ざっくりいうと、炭水化物と脂肪、どちらメインの食事が腸内細菌に良いか、というお話です。

論文やこのコラムを読んでいる方は、なぜアウトカムがハードな全死亡率や信頼されているサロゲートマーカーのLDLコレステロールや肥満などでは無いのか、とお思いかもしれません。

腸内細菌叢は人の健康に影響すると注目されており、食生活の変化に伴って変わることが知られています。

心筋梗塞などがそれなりの数発症するような長期間を調査するのは大変なので、6ヶ月でも変化の出そうな腸内細菌叢で調べたのかもしれません。

 

ちなみに、きちんと血中LDLコレステロールなども評価されています。

それでは紹介します。

18-35歳の健康な方(BMI28未満)217人を対象に6ヶ月に渡って行われた無作為化比較試験です。

 

 

1日の摂取カロリーのうち20%(低脂肪食群)、30%、40%(高脂肪食群)を脂肪から摂取する3つの群に分けています。

総摂取カロリーを揃えるように炭水化物の量を調整しています。

 

結果です。

体重は全ての群で減少しました。

低脂肪食群で体重とウエスト周囲長が最も減少し、総コレステロール値とLDL-コレステロール値も低下しました。

また、低脂肪食群では、コレステロールの低下に関与する腸内細菌が増えたのに対し、高脂肪食群では、コレステロールの上昇に関与する腸内細菌が増えていました。

さらに、高脂肪食群では、長鎖脂肪酸の代謝に有意な変化がもたらされ、炎症レベルも高まっていました。

 

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今回の結果を見ると炭水化物を制限するよりは脂肪を制限するほうが健康的に効果的にやせられそうです。

炭水化物制限か脂肪制限か、というのは今後も検討が続けられそうなトピックですが、総摂取カロリーを抑えること、そのために続けやすい自分の食生活を選ぶのが当面は良さそうです。

 

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