コンセンサスVSエビデンスでのガイドラインについて
「偉い人が皆言ってる」
「データに基づいた論文が存在している」
ではどちらが正しい情報なのでしょうか?
コンセンサスアプローチと、エビデンスベースのガイドラインの比較です。
診療ガイドラインにおいて、コンセントに基づくものとエビデンスに基づくものを比較した論文の紹介です。
コンセンサス:多数の専門家の意見の一致
エビデンス:客観的根拠(=論文による実証)
と捉えてください。
ざっくりいうと冒頭のような、
「偉い人が皆言ってる」≒コンセンサス
「データに基づいた論文が存在している」≒エビデンス
というイメージです。
米国心臓病学会/米国心臓協会(ACC/AHA)、米国臨床腫瘍学会(ASCO)が2021年までに作成したガイドラインを基にしています。
recommendation(推奨)の種類(コンセンサスまたはエビデンスベース)、推奨のグレーディングシステム、強さ、エビデンスの質などの推奨の特徴を抽出し、不適切な推奨の数を算出しています。
コンセンサスアプローチは、エビデンスベースのアプローチに比べ、
より多くの不適切な勧告を出していたそうです。
オッズ比が
ACC/AHAでは2.6(95%信頼区間1.7~3.7)
ASCOで5.1、(95%信頼区間1.6~16.0)
となっています。
2~3倍不適切な推奨が出ているようです。
医学ガイドラインについては多数決よりもエビデンスの質と推奨の強さの適切な整合性を確保することが,信頼できるガイドラインを作ることに繋がりそうです。