シナモンでリウマチが改善?
シナモンの摂取により関節リウマチの炎症や、拡張期血圧が下がるという論文です。
抄録ではどれだけ改善するかが触れられていませんし、収縮期血圧を下げずに拡張期血圧だけを下げるということが本当にあるのが不思議ですが、
シナモンは身体に良い影響があるかもしれませんね。
シナモンの摂取により関節リウマチの炎症や、拡張期血圧が下がるという論文です。
関節リウマチの女性の患者さんをシナモンを毎日2g摂取する群とプラセボ群に分けて、開始時と8週間後に血液検査や臨床症状、血圧を測定しました。
結果としては、シナモン摂取群で炎症反応のCRPとTNF-α、拡張期血圧と痛みが低下したとのことです。
改善したといってもどれだけ下がったのが書いてないのでなんとも言えません。
有意な改善、とありますが、
”統計的に有意”と”臨床的に有意”は意味が異なります。
統計的に有意、とは医学の分野ではP値が0.05未満である、ということです。
って、意味わからないですよね。
P<0.05 の意味はざっくり言うと、結果の差が偶然の誤差である確率が5%以下、ということです。
本当に差がありそう、ってことです。
臨床的に有意な差というのは、血圧が2mmHg下がるとかそういうことに意味があるか、ということです。
感覚的な問題ですが、毎日3時間のトレーニングで収縮期血圧が2mmHg下がると言われてやる気を出す人はとても少数だと思います。
○○茶を毎日飲むと12週間で体重が50g落ちて血圧が1mmHg下がります!とか。
今回の論文の詳細は不明ですが、関節リウマチも血圧も、治療のガイドラインがしっかり作られている分野です。
シナモン食べてるから大丈夫、とかではなくきちんと確立された治療で結果を見ながら、補助的にシナモンを摂ってみるのは良いかもしれませんね。
一応、抄録を和訳したものを記載しておきます。
目的:本研究は、関節リウマチ(RA)を有する女性においてシナモンによる、疾患活性・炎症性マーカー・心血管危険因子に及ぼす影響を調べた。
方法:無作為化二重盲検臨床試験でRAを有する36人の女性を無作為に2群に分け、500mgのシナモン粉末またはプラセボのいずれかを4カプセルずつ8週間投与した。
空腹時血糖(FBS)、脂質プロファイル、肝臓酵素、C反応性蛋白質(CRP)、TNF-α、赤血球沈降率(ESR)、血圧、臨床症状をベースライン時および8週後に測定した。
結果:シナモン摂取群におけるCRP(p <0.001)およびTNF-α(p <0.001)の血清レベルがプラセボ群と比較して有意に減少した。
拡張期血圧も対照群と比較して介入群で有意に低かった(p = 0.017)。
シナモン摂取群は、プラセボと比較して、病気活動スコア(DAS-28)(p <0.001)、視覚アナログスケール(VAS)(p <0.001)、および疼痛および腫脹関節数(p <0.001)が改善した。空腹時血糖(FBS)、脂質プロファイル、肝臓酵素、ESRの有意な変化は観察されなかった。
結論:シナモン補給は、RA患者の炎症および臨床症状を改善するための安全かつ潜在的な補助療法であり得る。