経口コロナ治療薬ラゲブリオ(モルヌピラビル)について
2021年12月24日に
経口コロナ治療薬のモルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)
が厚生労働省から特例承認されました。
コロナの重症化リスク因子を有し、軽症~中等症の入院していない18歳以上の患者さんがが投与対象です。
妊婦さんは使用出来ません。
Molnupiravir for Oral Treatment of Covid-19 in Nonhospitalized Patients
こちらがNEJMに2021/12/16に掲載された中間解析の結果をまとめた論文です。
日本語アブストラクトも出ていました。
https://www.nejm.jp/coronavirus/contents/original-article92.php
29 日目までのあらゆる原因による入院,または死亡のリスクは,モルヌピラビル群(385 例中 28 例 [7.3%])のほうがプラセボ群(377 例中 53 例 [14.1%])よりも低かった(差 -6.8 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -11.3~-2.4,P=0.001) |
入院及び死亡のリスクは下げています。
- サブグループ解析での、
- ウイルス量が少ない
糖尿病患者さん
ではプラセボ郡に劣っているのは気になります。
薬の害というよりは有意差がでない誤差のレベルで、治療薬の恩恵がなさそうな印象です。
まだ不明な点は多いものの、コロナ抗原の迅速検査に加えて、経口治療薬があることは多くの人々の不安を和らげる心理的効果はありそうです。
アメリカでもFDAの緊急認可がおり使用できるようになりますが、フランスでは見送りとなったようです。
まだ中間解析の段階ですので、わからない部分も多いのですが、当院もラゲブリオの処方医療機関として登録を行いました。
発熱外来でコロナ陽性で、重症化リスクのある適応のある方には院内処方でお渡し出来るようになる見込みです。