肥満と心房細動
心房細動のある肥満の方は減量が心房細動のためにも有用です。
その他の心血管疾患にも良い影響がありますのでぜひ減量をがんばりましょう!
肥満のある方の減量による、心房細動への影響をしらべた論文です。
対象は、減量プログラム(食事運動療法)を勧められた肥満(BMI 27以上)の心房細動患者さん355人です。
(*プログラムの内容は、食事はカロリー制限、加工食品や糖質を減らすよう勧め、週200分を目標に低~中強度の運動)
他にも血糖や血圧の管理、睡眠時無呼吸症候群の治療なども行っています。
その結果135人が4年後に10%の体重減少に成功しました。
減量に成功した方のうち88%が持続性の心房細動が発作性心房細動または心房細動が消失と改善しました。
4年後の体重減少が3%以下の116人の方では、41%が発作性心房細動から持続性心房細動に悪化しました。
やはり肥満は心房細動と関連しており、10%の体重減少も心房細動に良い影響を出すことが観察されています。
体重を落とせた方は血糖や血圧、睡眠時無呼吸症候群の治療にも熱心で継続していた可能性が高く、
改善効果のすべてが減量によるとは言えませんが減量は有効と考えられます。
心房細動と肥満のある方は是非減量に取り組んで下さい。
また睡眠時無呼吸症候群の検査や治療も並行して行いましょう。