診察時の血圧及び自由行動下血圧と死亡率の関連
診察時の血圧よりも自宅での血圧をコントロールすることを目標に治療することが重要かもしれません。
高血圧で治療中の方は普段の血圧を測定して主治医と相談しましょう。
血圧と死亡率の関連を見た論文です。
すでに多くの報告がありますが、今回のものは診察時血圧(診察の時に測定した血圧)及び24 時間自由行動下血圧と全死因死亡・心血管死亡との関連を検討したことが特徴です。
Relationship between Clinic and Ambulatory Blood-Pressure Measurements and Mortality
スペインの研究で、成人 63910 例の多施設共同全国コホートのデータです。
診察時血圧と 24 時間自由行動下血圧のデータを同時に解析しています。
血圧のデータから患者さんを次の 4 つのグループに分類しています。
・持続性高血圧(診察時血圧,24 時間自由行動下血圧ともに高値)
・白衣高血圧(診察時血圧は高値,24 時間自由行動下血圧は正常)
・仮面高血圧(診察時血圧は正常,24 時間自由行動下血圧は高値)
・正常血圧(診察時血圧,24 時間自由行動下血圧ともに正常)
追跡期間の中央値は4.7 年でした。
全死因死亡数は3808 例、心血管系の死亡数は1295例です。
全死因死亡との関連は,仮面高血圧が持続性高血圧や白衣高血圧よりも強く、心血管死亡の結果は全死因死亡の結果と同様でした。
診察時の血圧が正常でも、普段の血圧が高い方が一番ハイリスクとのことでした。
診察時血圧と 24 時間自由行動下血圧では、診察時血圧のほうが死亡との関連が強く出ました。
診察時の血圧よりも自宅での血圧をコントロールすることを目標に治療することが重要かもしれません。
(白衣高血圧も良性ではありませんでしたが)
高血圧で治療中の方は普段の血圧を測定して主治医と相談しましょう。